私がアメリカで生活をはじめたころ、一番大変だと思い、また日本を恋しく思ったのは医療関係。
好きなときにポンと病院にでかけることができ簡単に保険がつかえる日本の医療制度はやっぱりいいなと思います。
さて、アメリカで病院にかかるとなるとまずは予約をいれないといけません。
なのでまずは病院へ予約を入れるときになるだけスムーズに予約ができるように事前に準備していること、続いて救急車を呼ぶほどでは全くないのだけれど、なるだけ早くお医者さんに診てもらいたいときに実行していることを紹介したいと思います。
電話をかける前に目の前に置いておくべき3つのもの
病院に予約を入れるときに何も準備をせずに電話をかけると、多くの場合、電話中に慌てていろいろなものを探し回らないといけないことになります。落ち着いて電話での会話を進めるためにもまずは電話をかける前に必要なものを目の前に準備しておきましょう。
1:保険番号の分かるカード
電話をかけると必ずといって聞かれるのは健康保険の加入番号。聞かれてもいいように健康保険の加入カードを手元に置いておきましょう。
さらに場合によってはソーシャルセキュリティー番号を聞かれることもあります。私は自分のソーシャルセキュリティー番号を覚えていないので、念のために初めての病院に電話するときにはソーシャルセキュリティー番号も手元に置いています。
2:カレンダー
電話をしている一番の理由は病院訪問のための日時を決めることです。でも混み合っている病院ではこちらの希望通りにいかないこともよくあります。そしてオペレーターから予約可能な日時をいくつか提案されるのもよくあること。
このような状態で、今現在、相手と通話中の携帯を使ってカレンダーをチェックするのはなかなか至難の業ではないでしょうか。
なので通話中の携帯とは別に、話しながら見ることができるカレンダーを目の前に置いていおくことをおすすめします。
3:決めた日時を書き留めるメモ
そしてもちろん、決めた日時を書き留めるメモも。何を当たり前なことをと思われるかもしれませんが、私は結構忘れるので念のため。
予想外に聞かれるかもしれない3つの質問の準備
日本で病院に予約の電話をすると、名前や生年月日、連絡先、さらに簡単な訪問の理由と聞かれることはそれほど多くありません。
アメリカで病院へ予約を入れる時も基本的に聞かれることはほぼ同じですが、それでも予想外の質問をされてすぐに答えられないことがありました。
経験から学んで「もしかしたら聞かれるかもしれない」と思って私が念のために電話をかけるまえに用意している質問の答えをご紹介したいと思います。
1:配偶者の情報
もしあなたが保険のメインの契約者なら配偶者の情報は必要ありません。しかし私のように専業主婦で夫の仕事関係での健康保険を利用している場合は夫の情報をかなりの確率できかれます。
配偶者の名前、生年月日くらいまでは答えられても配偶者のソーシャルセキュリティー番号も聞かれたことがあり驚きました。
せっかく勇気を振り絞って連絡しそして長い保留時間を待ってやっとオペレーターにつながったのに、ここで最初のチェックポイント「保険加入者のソーシャルセキュリティー番号」が分からないというと話がややこしくなります。念のために用意しておきましょう。
また緊急連絡先として配偶者の携帯の番号を伝えないといけないこともあります。
私は念のために夫の携帯の番号も書き出して手元に置いています。
2:主治医の名前・希望の医師の名前
初めて予約の電話をかけると希望の医師の名前を聞かれることがあります。もし前もってインターネットなどで調べていて診てもらいたい医師が決まっているのであれば希望を告げればよいと思います。
ただ再診の場合やホームドクターが決まっている場合、主治医の名前を予約時に聞かれることがあります。
しかも日本語の名前ではないので頭のどこにも残っていません。
もし決まった主治医の先生がいるようなら書き出しておくと、オペレーターがこの情報を調べるために保留する待ち時間が省けるかもしれません。
3:自分の症状の詳しい説明
まず、病気関連の英単語は聞き慣れないものばかりで、日本語では分かっていても英語名が分からないものばかりです。ただ単純に「緑内障」のチェックに行きたいだけなのに「緑内障」の英語名がわからないなんていうことはよくあります。
また、場合によってはオペレーターが看護師さんに電話を転送し、看護師さんに詳しく症状を説明して主治医を選んでもらってから予約をとる場合もあります。
また看護師さんに丁寧に症状を説明することで「緊急扱い」になりすぐに予約を入れてくれたりもします。なので電話をかける前に頭のなかで症状の説明を英語でシュミレーションしてみて、言いたいのに分からない単語がないか確認してみましょう。
「緑内障」を「緑内障」という英単語を使わずに説明するのは日本語でも難しいです。
またここでシュミレーションしておけば、同じ説明を病院で繰り返すことができます。電話をかける前に少し時間をとってどう説明するか考えると良いように思います。
病院の予約を取るときに気をつけないといけないこと
オンライン予約を過信しない
最近はインターネットやEメールで予約できる病院もたくさんあります。言葉の行き違いをなくすために、もしインターネットで予約できるのであればこちらを使うほうがいいと思います。
ただしオンラインで予約を入れた場合は、必ず確認の返信メールをチェックしてください。
これまでいろいろな病院にかかりましたが、このオンライン予約、あんまり過信しないほうがいいと思います。
また、逆にご丁寧に予約の1週間まえほどに確認のメールを送って来てくれる病院があります。その際にはEメールのタイトルだけ見て無視せずに、内容も見てみてください。
病院によってはそこでクリックを押して「レコンファメーション」、その日に訪問すると再確認しないといけないこともあります。
電話の会話は思っているよりも聞き取りにくい
もちろん母国語ではない英語での電話のやりとり、日本語で予約するよりも難しいですし、オペレーターの方の英語は英語教室の先生の英語よりもくせがあって何を言っているのかよくわからないことが多かったです。
さらにオペレーターの方は同じ質問をもう何百回と言いつづけているので、もう言い慣れ過ぎていて早口で言葉に抑揚がないことも多いので、そうなるとさらに聞きづらいです。
でも相手の方も母国語が英語でない患者さんの電話を取り慣れているので、聞き直さないといけないことは何度も聞き直して確認してください。お相手も通常は粘り強く説明してくれます。
大切なことはしっかり伝わっているか、しっかり聞き取れているか確認を取りながら電話の会話をすすめてみてはいかがでしょう。
とここでえらそうに書いていますが、これって実践するの難しいですよね。そんなときは、、、
予約日時と住所の確認だけでも確実にする
このようなやり取りの中で、特に予約日時は間違わないように何度も確認をしましょう。
うっかり日時を間違って病院に行きそびれてしまっても、いくらかの料金が発生してしまうことがあります。
また、この面倒くさい予約手続きを1から初めて、さらに長い期間待たないといけないことになるかもしれません。
もし、記憶があやふやになってしまっていたり予約日時に迷いがあるなら、確認の電話やメールをいれて再確認してみるといいと思います。
またインターネットの情報が古い場合もあるので、念のために訪れなければいけないクリニックの住所は「住所はこちらでいいですよね」と口に出して確認しましょう。特にいくつかの分院があるクリニックなどはインターネットで見ている住所と実際に行かないといけない場所が違っていたりすることもあります。
なるだけ早く病院の予約をとりたいときには
さて病院によっては予約が数ヶ月先でしかとれないことがあります。特に専門医に見てもらおうと思うとなかなか大変です。
もちろん本当に緊急時には救急車を呼ばないといけないのですが、救急車を呼ぶ必要は全くないのだけれど、病院にかかるまで4〜5ヶ月も待てないという時もあるのではないでしょうか。
もっと良い方法もあるかもしれませんが、そしてこれらが正解かどうかもわかりませんが、私がとっている対策を紹介させていただきます。
電話で粘る・朝早く電話する
最も手っ取り早いのは電話でオペレーターと交渉することです。どうして4ヶ月も待てないかをしっかりと説明してなんとかどこかの枠に入れてもらえないか粘ってみます。
場合によっては「じゃあ、今日ならこられる?」と無理に当日や翌日にいれてくれることもあります。
また「XXの頃ならすこしゆっくりになるかもしれないから、その辺りの朝早くに電話してみたら」と教えてくれることもあります。また「それならこの番号へ電話してみては」と担当の科の受付直通の電話番号の情報をくれることもあります。
別の空いている病院を探す
それでもどうにもならないときには、まずその4ヶ月後の病院の予約はとりあえず取ってしまいましょう。
同じ病院で分院がいろいろとある場合は他の分院を試してみるのもいいかもしれません。町なかの病院よりも少し郊外の病院だと少しはやく予約がとれたりもします。
私は夫の働いていた米軍の病院で予約をとるとき、ワシントンDCに一番近い大きな病院の予約は本当に取るのが大変でしたが北ヴァージニアのファミリーホスピタルだと何週間か早く予約がとれたことがありました。ものは試しです。
そして、もし別の病院で早い時期に予約がとれたら、もちろん最初の病院での予約のキャンセルをお忘れにならないように。
訪問医ネットワークに登録する
さて、救急車を呼ぶほどの緊急ではないけれど、でもできれば早くお医者さんに見てもらいたい、薬を買うための処方箋をもらいたいときというのはあります。
こんなとき訪問医を利用してみるのはいかがでしょうか。
私が入っているのは「heal」というものなのですが、メンバー登録するのにはお金がかかりませんでした。
そしてお医者さんが必要なときに連絡をすると近所のお医者さんを派遣してくれ、かかる金額は保険が使えない場合でも一度の診療が一回99ドル(約1万1千円)です。
もちろん見てくれる診療科目は限られていますし、現在、このサービスを提供している地域は主に西海岸とワシントン首都圏に限られています。
けれど一度、夫がお昼に唐揚げと冷麺を山ほど食べたら、夜に腹痛で脂汗を流してとても苦しんだことがありました。
その時はどうすることもできず、手持ちの薬と嘔吐を繰り返して乗り切ったのですが、あまりに苦しみように本人も私も大変でした。
その時の経験からいろいろと調べてみて、今後、こんなことが起こった時のためにとこの訪問医ネットワークに入りました。
このような「訪問医(Home call doctors)」が他にもあるかと思われます。このような方法もあるということでご紹介しておきますね。
海外で生活して長くなりますが、それでも電話で病院の予約を取らないといけないのは「嫌だな」と思います。
まず電話でオペレーターに繋がれるまで待たないといけませんし、そのあと長いやりとりをしないといけないことも多く、さらに電話で症状の説明をしないといけないのも大変です。
なので出来るだけ手元に必要な情報を揃えて電話をかけたいところです。準備をしていると電話をかける緊張も少し和らぐかとも思います。
それにしても病院の予約を取るときのオペレーターの方の英語というのは比較的わかりにくいと個人的には思っています。それは日本のコンビニの店員さんと同様に、同じ言葉やフレーズをもう何度も何度も言い過ぎて、言葉だけが上滑りしているから。
ここで負けてはいけません。何度も繰り返すことになってもしっかりと診察に必要な最低限の情報を伝え、伝えてもらうようにしたいところです。また最初から難しいなと思うならば言葉ができる方にそばにいてもらってもいいかもしれません。
無事、診察してもらえますように。