ちゃんと観光できるようなところもあるのか分からないし、、、
もちろん、一般論としてはそれはその通りなのです。途上国へ出かけるとなると不便なことや危険なこともいっぱい。
でも、だからといって途上国旅行をあきらめるのはちょっと残念。
開発途上国、美しい自然や力強い日常生活、人々が大切にしてきた文化など見所もいっぱい。そして途上国といっても、その経済状況や生活環境、治安や生活インフラも国によって違います。
ということで今日は、途上国への旅行をオススメするためにも、まずは海外旅行初心者・中級者の方が途上国への旅行をためらう理由を考え、それをいくらかでも和らげて途上国旅行が少しでも快適になる方法を私の経験からご紹介したいと思います。
途上国の治安が心配だからって思っていない?
もちろん一番大切なのは安全な旅行を心がけること。そのためにも、まずはご自身の旅行スキルを考えた上で、無理のない渡航先を選び、しっかりと準備をして出かけられた方がいいかなと思います。
ではどのように情報収集をして準備をしましょうか?
まずは治安に関する情報収集を
そもそも日本の治安は世界でもトップクラス。アメリカやフランスといった先進国でさえも治安は心配な場所がたくさんあり日本の感覚が通用しない場合もあります。
これが途上国になると全般的にもっと治安が悪くなるのは事実。
また国の中でも比較的安全な地域とそうでない地域があります。
いくつか、私たちが使っている方法をご紹介したいと思います。
王道の外務省海外安全ホームページ
途上国へ旅行しようと考え始めたら、まずは「外務省海外安全ホームページ」を訪れてみて、その国の治安状況を確認してみてください。
また最終的に旅行先を決めて飛行機などの手配が終わったなら、この外務省のページにある「たびレジ」に登録しましょう。
私も使っているのですが、登録していると旅行国の情報をメールで配信してくれます。
また、もし一緒に旅行をする方が日本人以外の方ならば
万が一、クーデターや大規模災害が起こって国外へ逃げないといけないことがあった時のことを考えると、いろいろな情報手段を確保しておくのは大切かなと思います。
すでに住んでいる方のブログやSNSを参考にする
多くの日本人が世界各国で生活されていて、ブログやツィッターのようなSNSで色々な情報発信をされています。
またもし旅行を考えている都市に友人、知人がお住まいなら事前に連絡をとって情報をもらうのもいいかもしれません。
ただ、現地で生活している方もその土地の全てを把握しているわけではありません。また都市の中にも治安のばらつきがあるので、その方の情報が全てではありません。
このあたりを心に止めて情報収集をしてみましょう。
「NUMBEO」を使って滞在都市の治安の雰囲気を
以前のブログでも書いたのですが、私が都市の治安の雰囲気を感じるために使っているのがNUMBEO。
以前のブログ:アメリカで不動産を買いたい:住んでみたい街の治安を調べるには?
このサイト、過去3年間にその都市へ滞在した人の主観に基づいた判断を総合して治安に関する様々な指標をパーセントで表示しています。
異なる犯罪を10以上の指標で表しているので、その都市の雰囲気をなんとなく感じることができます。
ただ情報提供者の主観に基づいているので特に情報提供者の数が少ない場合は参考程度に使われるといいかと思います。
初めての途上国旅行は無理をしない
さあ、どのように情報を集めたらいいかも分かりました。行きたい国の候補もいくつかあります。では、早速、具体的に出かける国を決めていきたいところですが、どうしましょうか?
比較的簡単な国や都市から
途上国といっても本当にいろいろ、もうすでに途上国を脱しつつあり発展真っ最中の国から世界の最貧国まで、また比較的安全な国から渡航をしないほうがいい国までいろいろな状況があります。
例えば太平洋州やカリブ海には比較的のどかで安全な小国があります。開発目覚ましい東ヨーロッパ、さらに日本の観光客に人気の東南アジアにも訪れやすい都市がたくさんあります。
また治安があまりよくない国でも外国人や現地のお金持ち向けに開発されたリゾートホテルがあり、そのようなリゾートホテルは先進国のホテルと同等、またそれ以上のサービスを提供しています。
またホテルからでるオプショナルツアーも豊富なことが多いのであまり精神的な負担がなく観光を楽しむことができるのではないでしょうか。
友人が住んでいるなら少し難しい都市へも
治安もそれほどよくなく、都市の交通インフラも整っていない国に出かけるのはなかなかハードルが高く感じるかもしれません。
もし、友人が滞在中、毎日仕事に出かけていると、ご自身一人での外出が難しいかもしれません。そうするとずっと家やホテルで過ごすことになります。
また、お子さまと一緒に家族でというのは国によっては控えた方がいいこともあるかもしれません。特に病院施設が整っていない場合には。
ただ最貧国で生活をしていた経験からすると、実は友人が遊びに来てくれるのは嬉しいことでした。というのも「危ないから」ということで家族も誰も遊びに来てくれないので。
必要なら旅行代理店もフル活用
私たち夫婦は基本的には二人で好きなようにフラフラと旅行をするのが好きです。なので通常の旅行の場合、自分たちで適当に予定を立てて出かけています。
しかし治安面が不安な土地に出かける時には安全第一で旅行代理店を使うこともあります。旅行前にこちらから手配をしていくこともありますし、現地でオプショナルツアーやドライバーを手配することもあります。
ホテルからある場所へ出かけるのにパッと電車に乗って、タクシーを拾ってというようにいかない都市がたくさんあります。
また交通渋滞が酷かったり交通ルールがきちんと守られていなかったりと、その国の治安や交通状況によってレンタカーを借りるという選択肢を諦めた方がいい国もあります。
また乗合バスやタクシーでさえも安全ではない国もたくさんあるので、そのような国の場合、安全な移動手段の確保を考えて旅行代理店やホテルのオプショナルツアー、ガイドの利用もご検討されてはいかがでしょうか。
これまでの旅行者の評価をみて、またご友人がこれまで使ってみて満足している旅行社のものを聞いて良いものが選べるといいですね。
途上国は生活インフラが整っていないからって思っていない?
実際問題、途上国では水や電気といった生活インフラが十分整っていないことろがたくさんあります。さらに今はインターネットがないと不便なことがたくさんありますがその辺りも気になるところです。
しっかりしたホテルを選ぶ
どんな途上国にも海外からくる観光客用のホテルがあります。また観光客がなかなか来ないような国でも国連や他国から開発援助にくる人々が宿泊するホテルがあります。
また地震のある国だと耐震性を考えて建てられているものもあり、このような高級ホテルでのレストランの食事は比較的、お腹を壊さなくてすみます。
もちろん強者の途上国旅行上級者は現地の安宿を試したりされるのかとも思うのですが、途上国の生活インフラに不安のある方、宿ではゆっくりと快適な生活を送りたいという方は、現地では高級ホテルと考えられているしっかりとした宿を選ぶことをお勧めします。
途上国ならではの持ち物を準備をしていく
さて、そこそこしっかりとしたホテルを選んだので、ホテル内のインフラは大丈夫なようです。でも、観光をする時にはホテルから出ることになりますが、街のインフラがホテル並みに整っているとは限りません。
また日本では「何かがない」と思えば、そのままコンビニに出かければいいのですが、勝手のわからない、そして治安もあまりよくない途上国、すぐに手に入らないこともあるでしょう。
全ての対策をするのは無理だけれど、途上国に旅行をする時に、できれば持っていきたいものを書いてみたいと思います。
途上国観光地でのトイレ対策
なのでもう絶対的な必需品はポケットティッシュと携帯の除菌ジェル。これは本当に役に立ちます。
また長時間のドライブ旅行や旅行場所によっては携帯トイレを持っていくという手もありますし
そうすると最悪、外で用が足せるので。
最低限の薬は持って行こう
どのような旅行先でも急に病気になるのはとても困ります。そして途上国の場合、近所の薬局に飛び込んで薬をというのも難しいですし、病院へのアクセスが日本ほど簡単ではない場合もあります。
そして現地の高級レストランで食事をしていても、飲み物は全て「氷なし」でお願いしてもお腹を壊すときは壊します。
また気候の変化や時差、疲れもあって風邪を引いたり頭痛が起こったり。
もちろん緊急の場合は病院へ駆け込むのは絶対ですが、病院へ行くほどでもない症状を緩和するための最低限の薬を持っていく方がいいと思います。
私もこの手持ちの薬に助けられたことが何度かあるので。
もちろん蚊に刺されて痒くて大変ということもありますが、それ以上に蚊を媒体にした病気がたくさんあります。
チクングニヤ熱、デンギ熱、ジカ熱、さらにマラリアと命を脅かすものもあります。毎日しっかりと虫除けスプレーを使うことをお勧めします。
空腹対策も忘れずに
さて最後に、私が途上国に旅行するときに必ず持っていくものにスナックがあります。これは初めて仕事で途上国に出かけたときに先輩同僚に教えてもらったのですがとても役立ちます。
ということで、夜でもちょっとお腹が減ったなと思ったときに食べられるドライフルーツやスナックを持って出かけるのはどうでしょうか。
もちろん国によっては食べ物の持ち込みが制限されているところもあるかもしれないので、事前にチェックしておくのは必要かもしれませんが。
そして余ったスナックはチェックアウトの際に部屋へチップと一緒に残していくのもいいかもしれません。
少々の不便は途上国の醍醐味として受け入れる
さて、いろいろと準備をしてやってきた途上国。それでも不便なことはあるかもしれません。
シャワーの水量がチョロチョロとしか出ないことはよくありますし、暖かい国ではお湯のシャワーが出ないこともよくあります。
レストランに出かけても途中で停電してしまって料理が出てこないなんてこともあるかもしれません。
またゴミの収集システムがない国を旅すると道にゴミが溢れていることもありますし、道も舗装されていないのでいつも砂煙がすごいかもしれません。
途上国は観光するものがないからって思っていない?
途上国に旅行しても仕方がないと思う理由の一つに、途上国に出かけても見るものなんて何にもないんじゃないのと思っているからかもしれません。
もちろんイタリアやフランスのような歴史的建造物がたくさんある国はそれほど多くはないかもしれません。
情報が少ないだけで観るものがないわけでは
そもそも途上国の観光地の情報を集めるのは大変です。今でこそインターネットで色々とわかることもありますが、昔はそれこそ「地球の歩き方」くらい。その地球の歩き方でさえも、数ページの情報だけということも少なくありません。
そんなこともあって、途上国にはどんな見所があるのかわからないこともたくさんあります。
どの国にもそれぞれの歴史があり欧米とは違った形での史跡や建物跡が残っていることが多くあります。またその土地の歴史や文化を紹介する小さな博物館があるかもしれません。
旅行代理店や現地に住んでいる人からの情報、また現地に着いてみてホテルや地元の人に聞いてみるとガイドブックには載っていない観光地がいろいろと出てきます。
また日本語以外の言語が出来る方なら日本語でガイドブックがなくても他の言語では存在していたりします。
もちろんインターネットを使うとさらにいろいろな情報を集めることができるでしょう。
美しい自然を思いっきり楽しもう
途上国の魅力の一つはまだ開発されていない自然がたくさん残っていること。
ビーチリゾートのあるところもたくさんありますし、そのようなところでは水の透明度も高く海の美しさを満喫することができます。
またまだ手付かずの滝があったり多くの野生生物を楽しめるジャングルやサファリがあるところもあります。思い切って美しい自然を楽しんでみるのはどうでしょう。
また何もない生活をのんびり楽しむという楽しみ方もできます。私たち夫婦は何もない小島のビーチで、蚊帳のつってある掘っ立て小屋での生活を楽しむという旅行をしたことがあるのですが、毎日、食べて泳いで昼寝をして散歩をしてという贅沢ができました。
人々の生活を垣間見るだけで多くの刺激がある
史跡がなくてもそして自然がなくても、空港に着いたところからもう見るべきもの、心を動かすものがたくさんあります。
車が止まると窓拭きにやってくる小さい子供たち、朝、水を汲むためにポリバケツを持って歩く人々。
道に並ぶ露天の食べ物屋さんやお店、海岸で小さな船と網で魚取りに出かける漁師さんに、ホテルから出てくる観光客に道案内をしてチップをもらう人々。
みんなたくましく明るく元気に生活していますし、出会う子どもたちは本当に可愛く素敵な笑顔です。
さて、開発途上国への旅行が少し、身近なものになったでしょうか。もちろん一番大切なのは旅行中の安全を確保すること。特に現地の言葉が話せない場合は慎重になった方がいいように思います。
そして安全で快適な宿泊先を確保したなら、旅行中は周りをしっかり見て十分に気をつけながら、出来るだけいろいろなものを見て、多くのものを感じてもらいたいなと思います。
最初はその国の大変な生活環境に驚くかもしれませんが、それだけを見て顔をしかめたり哀れんだりするのでなく、その国の人々の持っているパワーや笑顔、人懐っこさなどにも触れてほしいなと思います。
どうかくれぐれも安全に気をつけて楽しい旅になりますように。